01 / ROAD TIMELINE
圏央道は2010年に桶川北本ICへ、2015年に県内全通
まず、どの時点を境に見るのかを確認しましょう。国土交通省の記録では、2010年3月28日に川島IC〜桶川北本ICの5.7kmが開通しました。桶川北本ICは桶川市川田谷に位置し、北本市にも近いインターチェンジです。
続いて2015年10月31日、桶川北本IC〜白岡菖蒲ICの10.8kmが開通しました。これにより圏央道の埼玉県内区間が全通し、関越道側から東北道側まで高速道路のネットワークがつながりました。本記事では、この二つの年を不動産価格の節目として確認します。
川島IC〜桶川北本IC、延長5.7km。桶川市川田谷で上尾道路と接続。
桶川北本IC〜白岡菖蒲IC、延長10.8km。東西の高速道路ネットワークが拡大。
02 / LAND
土地は4市とも上昇。変化が最も大きかったのは桶川
土地の3年移動中央値から見てみましょう。桶川北本ICが開通した2010年は、上尾市10.9万円/㎡、桶川市6.6万円/㎡、北本市7.4万円/㎡、鴻巣市5.8万円/㎡でした。
県内区間が全通した2015年は、上尾市10.0万円/㎡、桶川市8.3万円/㎡、北本市6.9万円/㎡、鴻巣市5.0万円/㎡。2025年にはそれぞれ13.6万円/㎡、10.7万円/㎡、8.5万円/㎡、6.1万円/㎡となっています。
節目の数値と取引件数を見る
| 市 | 2010年 | 2015年 | 2025年 | 2010→2025 | 2025年単年件数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上尾市 | 10.9万円/㎡ | 10.0万円/㎡ | 13.6万円/㎡ | 1.25倍 | 130件 |
| 桶川市 | 6.6万円/㎡ | 8.3万円/㎡ | 10.7万円/㎡ | 1.61倍 | 50件 |
| 北本市 | 7.4万円/㎡ | 6.9万円/㎡ | 8.5万円/㎡ | 1.15倍 | 16件 |
| 鴻巣市 | 5.8万円/㎡ | 5.0万円/㎡ | 6.1万円/㎡ | 1.05倍 | 57件 |
3年移動中央値(前後1年を含む3年分)。縦軸は万円/㎡。2010年と2015年に圏央道の節目を表示しています。
2010年から2025年の価格比は、上尾市1.25倍、桶川市1.61倍、北本市1.15倍、鴻巣市1.05倍です。桶川市の変化が最も大きくなりました。
各市の2010年の3年移動中央値を1とした比率。市どうしの価格水準ではなく、それぞれの市の変化を比べています。
ただし、上昇した時期は揃っていません。桶川市は2010年から2015年にかけて上昇し、上尾市・北本市・鴻巣市は2015年以降の上昇が目立ちます。圏央道沿線4市が一斉に同じ変化をしたわけではありません。
03 / MARKET MIX
4市は取引規模も、物件種別の構成も違う
市ごとの取引規模を見てみましょう。20年間の取引件数は、上尾市9,041件、桶川市3,391件、北本市2,687件、鴻巣市5,521件です。上尾市は4市で最も件数が多く、同じ1年の中央値でも母集団の厚みが異なります。
上尾市では戸建てが56.9%を占めます。桶川市は土地39.2%、北本市は中古マンション18.3%、鴻巣市は土地42.7%です。圏央道という共通の背景があっても、不動産市場の構成は市ごとに違います。
国土交通省の取引データに含まれる土地・土地建物・中古マンションの構成比。人口や住宅ストック全体の構成比ではありません。
高速道路への近さだけで比べる前に、上尾市の市場規模、北本市の中古マンション比率、鴻巣市の土地比率といった違いを押さえる必要があります。次は、戸建てと中古マンションを分けて確認します。
04 / DETACHED HOUSES
戸建ては上尾と北本の変化が大きい
戸建ての2010年から2025年の価格比は、上尾市1.36倍、桶川市1.15倍、北本市1.37倍、鴻巣市1.09倍です。土地で最も変化が大きかった桶川市ではなく、戸建てでは北本市と上尾市の上昇が目立ちます。
2025年の中央値は、上尾市25.2万円/㎡、桶川市20.0万円/㎡、北本市18.7万円/㎡、鴻巣市14.3万円/㎡でした。
節目の数値と取引件数を見る
| 市 | 2010年 | 2015年 | 2025年 | 2010→2025 | 2025年単年件数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上尾市 | 18.5万円/㎡ | 18.3万円/㎡ | 25.2万円/㎡ | 1.36倍 | 327件 |
| 桶川市 | 17.3万円/㎡ | 16.9万円/㎡ | 20.0万円/㎡ | 1.15倍 | 133件 |
| 北本市 | 13.6万円/㎡ | 16.2万円/㎡ | 18.7万円/㎡ | 1.37倍 | 96件 |
| 鴻巣市 | 13.1万円/㎡ | 12.0万円/㎡ | 14.3万円/㎡ | 1.09倍 | 199件 |
土地と建物を合わせた取引総額を土地面積で割った3年移動中央値。建物だけの価格ではありません。
戸建ては4市とも2025年が2015年を上回っていますが、上昇幅は市ごとに異なります。圏央道の開通時期だけでなく、土地価格や新築・中古の取引構成も重なる結果として見てください。
05 / USED CONDOMINIUMS
中古マンションは上尾・桶川で上昇、北本・鴻巣は別の動き
中古マンションは、土地や戸建て以上に市ごとの差が出ました。2010年から2025年の価格比は、上尾市1.54倍、桶川市1.34倍、北本市0.98倍、鴻巣市1.04倍です。
2025年の3年移動中央値は上尾市35.3万円/㎡、桶川市24.6万円/㎡、北本市10.0万円/㎡、鴻巣市18.1万円/㎡です。2025年単年の取引件数は、上尾市82件、桶川市21件、北本市37件、鴻巣市45件でした。
節目の数値と取引件数を見る
| 市 | 2010年 | 2015年 | 2025年 | 2010→2025 | 2025年単年件数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上尾市 | 22.9万円/㎡ | 26.2万円/㎡ | 35.3万円/㎡ | 1.54倍 | 82件 |
| 桶川市 | 18.3万円/㎡ | 18.2万円/㎡ | 24.6万円/㎡ | 1.34倍 | 21件 |
| 北本市 | 10.2万円/㎡ | 9.3万円/㎡ | 10.0万円/㎡ | 0.98倍 | 37件 |
| 鴻巣市 | 17.3万円/㎡ | 13.1万円/㎡ | 18.1万円/㎡ | 1.04倍 | 45件 |
専有面積1㎡あたりの3年移動中央値。各年に取引された物件の築年、駅距離、住戸面積の構成も反映されます。
中古マンションでは、ICへの近さと価格変化がそのまま対応していません。上尾市と桶川市は上昇し、北本市と鴻巣市は2010年と2025年が近い水準です。駅周辺のマンションストックや築年の構成も合わせて読む必要があります。
06 / ANSWER
圏央道後の変化は確認できる。ただし、4市一律ではない
冒頭の問いに答えましょう。2010年と2015年を節目に見ると、土地は4市すべてで2025年が2015年を上回りました。なかでも桶川市は、2010年から2025年の価格比が1.61倍となり、4市で最も大きな変化です。
一方、戸建ては上尾市と北本市、中古マンションは上尾市と桶川市で上昇が目立ちました。同じ道路ネットワークの周辺でも、物件種別ごとに結果が違います。圏央道の開通は地域の交通・産業を変えた大きな背景ですが、不動産価格は市場規模、駅周辺の住宅ストック、建築費や景気など複数の条件が重なって変化したと見るのが自然です。
2010年から2025年で1.61倍。4市すべてが2015年水準を上回りました。
2010年から2025年で上尾1.36倍、北本1.37倍です。
上尾1.54倍、桶川1.34倍に対し、北本と鴻巣は2010年に近い水準です。
圏央道を共通の節目にしつつ、取引規模と物件種別の違いまで分けて読むと、4市の特徴が見えてきます。
07 / HOW TO READ
数字の見方
価格は1㎡あたりの中央値です。年ごとの変化を読みやすくするため、前後1年を含む3年移動中央値で表示しています。2010年と2015年は、圏央道の開通時期に合わせた比較の節目です。
土地は土地のみの取引価格を土地面積で割った値です。戸建ては土地と建物を合わせた取引総額を土地面積で割った値で、建物だけの価格ではありません。中古マンションは取引総額を専有面積で割った値です。物件種別間の単価を直接比べず、それぞれの時系列を確認してください。
3年移動中央値の端にあたる2025年は翌年分を含みません。また、市ごと・物件種別ごとに取引件数が異なるため、グラフの数値表に単年の件数を併記しています。
出典国土交通省の不動産取引データをもとに作成
道路資料国土交通省 関東地方整備局、国土交通省道路局、埼玉県
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