STEP 01 / OPEN CLASS
まず、無差別級のまま見る。首都圏TOP30に価格を添える
SUUMOの子育てしやすい街(自治体)ランキングの順位と7項目偏差値の合計を、そのまま並べました。右に60〜80㎡の中古マンション成約価格の中央値を添えています。順位は住民の評価で、価格はその街で実際に成約した値です。
SUUMO住み続けたい街ランキング2026 子育てしやすい街(自治体)ランキングの7項目偏差値(首都圏TOP30・埼玉県TOP10の公表値)。価格は専有面積60㎡以上80㎡未満の総額の2023〜2025年の中央値(8件未満は算出しない)。那珂郡東海村は成約件数が8件未満のため価格なし。
1位の武蔵野市は6,200万円、2位の港区は11,000万円、3位の都筑区は4,850万円。6位の印西市は850万円で、上位3つと10倍以上の開きがあります。港区と印西市を同じ表で順位づけしても、実際に両方を候補にする家庭はほとんどいません。価格の帯を見ると、3,000万円未満が6自治体、3,000〜4,500万円が7自治体、4,500〜6,000万円が7自治体、6,000万円以上が9自治体。ここから先は、この4つの階級に分けて見ます。
STEP 02 / WEIGHT CLASS
予算で階級に分ける。同じ階級なら、どの街の評価が高いか
横軸が60〜80㎡の中古マンション成約価格、縦軸がSUUMOの子育て7項目偏差値の合計です。背景の帯が予算の階級。同じ帯の中で上にある街が「その予算で子育て評価が高い街」です。さいたま市の区を橙で示しています。
価格は専有面積60㎡以上80㎡未満の総額の2023〜2025年の中央値。評価はSUUMO住み続けたい街ランキング2026 子育てしやすい街(自治体)ランキングの7項目偏差値(首都圏TOP30・埼玉県TOP10の公表値)。
| 階級 | 順位(7項目合計・価格) |
|---|---|
| 3,000万円未満 | 1位 印西市(466.05・850万円) 2位 北区(435.04・2,400万円) 3位 千葉市美浜区(434.36・1,700万円) 4位 昭島市(429.79・2,600万円) 5位 緑区(426.96・2,100万円) 6位 横浜市金沢区(426.92・2,500万円) |
| 3,000〜4,500万円 | 1位 浦安市(466.22・3,900万円) 2位 多摩市(457.95・3,400万円) 3位 立川市(456.63・4,000万円) 4位 府中市(447.57・3,850万円) 5位 つくば市(435.34・3,500万円) 6位 守谷市(433.1・3,550万円) 7位 藤沢市(427.91・4,050万円) |
| 4,500〜6,000万円 | 1位 横浜市都筑区(475.55・4,850万円) 2位 浦和区(449.16・5,550万円) 3位 大宮区(445.62・5,300万円) 4位 流山市(445.07・5,200万円) 5位 三鷹市(438.04・5,850万円) 6位 横浜市西区(428.43・5,900万円) 7位 調布市(425.87・4,800万円) |
| 6,000万円以上 | 1位 武蔵野市(482.9・6,200万円) 2位 港区(475.75・11,000万円) 3位 文京区(468.55・8,750万円) 4位 中央区(456.81・9,500万円) 5位 千代田区(453.82・12,000万円) 6位 品川区(442.6・8,000万円) 7位 目黒区(432.42・9,000万円) 8位 江東区(425.91・6,000万円) 9位 世田谷区(425.75・7,000万円) |
3,000万円未満の1位は印西市(850万円・466.05)、3,000〜4,500万円の1位は浦安市(3,900万円・466.22)、4,500〜6,000万円の1位は横浜市都筑区(4,850万円・475.55)、6,000万円以上の1位は武蔵野市(6,200万円・482.9)。港区・千代田区・文京区・目黒区は6,000万円以上の階級にしかいないので、4,500万円以下の帯では最初から比較相手になりません。浦和区(5,550万円)と大宮区(5,300万円)は4,500〜6,000万円の階級で、横浜市都筑区・浦和区・大宮区・流山市・三鷹市・横浜市西区・調布市の中の2位と3位です。
7項目の偏差値を表で見る
| 自治体 | 図書館 | 夜間救急 | 子育て支援 | 子育て環境 | 教育環境 | 治安 | 公園 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 〜3,000万円の1位 印西市 | 60.61 | 57.22 | 65.84 | 74.04 | 64.86 | 69.89 | 73.60 | 466.05 |
| 3,000〜4,500万円の1位 浦安市 | 72.07 | 67.54 | 69.15 | 65.74 | 63.19 | 64.54 | 63.99 | 466.22 |
| 4,500〜6,000万円の1位 横浜市都筑区 | 60.90 | 64.93 | 65.28 | 70.06 | 69.57 | 71.05 | 73.77 | 475.55 |
| 6,000万円〜の1位 武蔵野市 | 74.62 | 60.82 | 68.23 | 67.63 | 69.12 | 71.06 | 71.42 | 482.90 |
予算の階級ごとに、子育て7項目偏差値の合計が最も高い自治体。灰色の線が偏差値50(首都圏の平均)。
階級が上がるほど治安と教育環境の偏差値が上がる一方、公園は3,000万円未満の1位(印西市)が最も高く、予算と引き換えに何を得て何を失うかが7項目に出ています。
STEP 03 / RENT VS BUY
賃貸級と購入級。買うと高いが、借りると軽い街はどこか
同じ街でも、買う場合と借りる場合で階級が変わります。横軸が購入価格(60〜80㎡の中古マンション)、縦軸が家賃(60〜79㎡の借家の平均家賃)、円の大きさが持ち家率です。点線は首都圏TOP30の中央値。右下ほど「買う価格のわりに家賃が安い街」、左上ほど「家賃のわりに買うと安い街」です。薄い灰色は首都圏の人口5万人以上の市区(172自治体)です。
価格は専有面積60㎡以上80㎡未満の総額の2023〜2025年の中央値。令和5年住宅・土地統計調査 借家(専用住宅)の1か月当たり家賃(家賃0円を含まない)。延べ面積60〜69㎡と70〜79㎡の平均家賃を単純平均。令和5年住宅・土地統計調査 主世帯のうち持ち家の割合。点線は中央値(購入4,850万円・家賃10.6万円)。
| 自治体 | 購入(60〜80㎡) | 家賃(60〜79㎡) | 年間家賃÷価格 | 持ち家率 |
|---|---|---|---|---|
| 印西市 | 850万円 | 7.1万円 | 10.1% | 88.1% |
| 千葉市美浜区 | 1,700万円 | 9.1万円 | 6.4% | 63.9% |
| 北区 | 2,400万円 | 9.2万円 | 4.6% | 55.2% |
| 緑区 | 2,100万円 | 8.1万円 | 4.6% | 67.5% |
| 横浜市金沢区 | 2,500万円 | 8.6万円 | 4.1% | 65% |
| 浦安市 | 3,900万円 | 12.3万円 | 3.8% | 48.3% |
| 昭島市 | 2,600万円 | 6.7万円 | 3.1% | 54.5% |
| 府中市 | 3,850万円 | 9.6万円 | 3.0% | 53.3% |
| 横浜市都筑区 | 4,850万円 | 12.0万円 | 3.0% | 56.5% |
| 多摩市 | 3,400万円 | 8.3万円 | 2.9% | 54.2% |
| 藤沢市 | 4,050万円 | 9.6万円 | 2.9% | 59.1% |
| 中央区 | 9,500万円 | 22.5万円 | 2.8% | 43.3% |
| 立川市 | 4,000万円 | 9.3万円 | 2.8% | 46.5% |
| つくば市 | 3,500万円 | 7.8万円 | 2.7% | 50.4% |
| 江東区 | 6,000万円 | 13.4万円 | 2.7% | 44.2% |
| 調布市 | 4,800万円 | 10.6万円 | 2.7% | 46.8% |
| 文京区 | 8,750万円 | 18.7万円 | 2.6% | 43.4% |
| 世田谷区 | 7,000万円 | 15.0万円 | 2.6% | 44.6% |
| 武蔵野市 | 6,200万円 | 13.2万円 | 2.6% | 42.2% |
| 目黒区 | 9,000万円 | 18.7万円 | 2.5% | 43.3% |
| 三鷹市 | 5,850万円 | 11.9万円 | 2.5% | 46% |
| 横浜市西区 | 5,900万円 | 12.4万円 | 2.5% | 49.9% |
| 千代田区 | 12,000万円 | 24.3万円 | 2.4% | 32.8% |
| 港区 | 11,000万円 | 21.9万円 | 2.4% | 39.6% |
| 品川区 | 8,000万円 | 15.8万円 | 2.4% | 39.7% |
| 守谷市 | 3,550万円 | 7.0万円 | 2.3% | 74.5% |
| 浦和区 | 5,550万円 | 10.7万円 | 2.3% | 59.9% |
| 流山市 | 5,200万円 | 10.0万円 | 2.3% | 67.7% |
| 大宮区 | 5,300万円 | 9.5万円 | 2.2% | 57.7% |
浦和区は購入5,550万円・家賃10.7万円、大宮区は5,300万円・9.5万円で、年間家賃相当額÷価格は2.3%・2.2%。浦安市(3,900万円・12.3万円)は買うと浦和区より安い一方、家賃は高く、3.8%と購入価格に対する家賃水準が高い街です。文京区(8,750万円・18.7万円)は2.6%。年間家賃相当額÷価格が最も高いのは印西市(10.1%)、最も低いのは大宮区(2.2%)です。ただし、家賃と購入価格は同じ建物を比較したものではありません。特に印西市は中古マンションの取引構成により購入価格の中央値が低く、投資利回りを示す数字ではありません。
STEP 04 / OWN OR RENT
持ち家率で、子育て評価の傾向はどう変わるか
持ち家率を横軸に、縦軸に「(公園+子育て環境)の平均 −(夜間救急+子育て支援)の平均」の偏差値差をとりました。上が住環境型、下がサービス型。点線は持ち家率の中央値です。ここでは、首都圏TOP30の中で持ち家率と評価項目にどのような傾向が見られるかを確認します。
令和5年住宅・土地統計調査 主世帯のうち持ち家の割合。縦軸はSUUMO子育て7項目のうち(公園・子育て環境)の平均から(夜間救急・子育て支援)の平均を引いた値。0が両方同じ評価。
住環境型の側は印西市(持ち家率88.1%・+12.3)・守谷市(持ち家率74.5%・+9.3)・多摩市(持ち家率54.2%・+7.5)、サービス型の側は千代田区(32.8%・-9.8)・港区(39.6%・-7.7)・中央区(43.3%・-7.5)。緑区(67.5%・+2.4)は持ち家率が高く住環境側の評価が高い街、浦和区(59.9%・-4.1)は持ち家率が中央値付近で、評価は医療・支援の側にやや寄ります。港区(39.6%・-7.7)は持ち家率が低く、医療・支援側の評価が高く出ています。
持ち家率が高いから治安が良い、といった因果はこの図からは言えません。首都圏TOP30では、持ち家率の高い街で公園・子育て環境、低い街で夜間救急・子育て支援の評価が高く出る例があり、街の住宅構成や施設の集まり方とあわせて見る必要があります。
SUMMARY
まとめ:無差別級の順位は、階級に分けると入れ替わる
| 見方 | 答え |
|---|---|
| 無差別級 | 武蔵野市1位(6,200万円)・港区2位(11,000万円)・都筑区3位(4,850万円)。印西市6位は850万円 |
| 階級別 | 3,000万円未満は印西市、3,000〜4,500万円は浦安市、4,500〜6,000万円は横浜市都筑区、6,000万円以上は武蔵野市 |
| 賃貸級と購入級 | 浦安市は購入価格に対する家賃水準が高い。浦和区・大宮区は年間家賃相当額÷価格2.3%・2.2% |
| 持ち家率と評価項目 | 首都圏TOP30では、持ち家率が高い街で公園・住環境、低い街で医療・支援の評価が高く出る例がある |
この記事のまとめ「経済力を無視したランキングは見誤る」という指摘は、成約価格を重ねると具体的な形になります。港区・文京区・武蔵野市は6,000万円以上の階級にしかおらず、4,500万円以下の街と競っていません。浦和区と大宮区は4,500〜6,000万円の階級で都筑区・流山市と同じ土俵にいます。買うか借りるかでも階級は変わり、持ち家の街と賃貸の街では評価される項目が違います。ランキングは結論ではなく、自分の階級で読み直すための材料です。
埼玉編:埼玉の子育てしやすい街を階級別で戦わせる→子育てしやすい街TOP30のさいたま市4区を7項目・成約価格で読む→浦和区の土地・中古マンション・戸建てを20年で見る→HOW TO READ
使った数字と読み方
子育ての順位と7項目偏差値はSUUMO住み続けたい街ランキング2026 子育てしやすい街(自治体)ランキングの7項目偏差値(首都圏TOP30・埼玉県TOP10の公表値)で、公表のない自治体の値は作っていません。価格は、国土交通省 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報・成約価格情報(中古マンション等)を自治体全域で集計した専有面積60㎡以上80㎡未満の総額の2023〜2025年の中央値。件数8件未満は算出しない(null)です。築年・階数・駅距離は揃えていません。
家賃は令和5年住宅・土地統計調査 借家(専用住宅)の1か月当たり家賃(家賃0円を含まない)。延べ面積60〜69㎡と70〜79㎡の平均家賃を単純平均。民営借家だけでなく公営・UR・給与住宅を含む借家全体の平均で、成約価格とは時点(2023年)と性質が違います。持ち家率は令和5年住宅・土地統計調査 主世帯のうち持ち家の割合。いずれも政府統計の総合窓口(e-Stat)API。令和5年住宅・土地統計調査(借家の家賃、年間収入階級×住宅の所有の関係別主世帯数)、令和2年国勢調査(人口)から取得しました。
予算の階級は60〜80㎡の中古マンション総額で3,000万円未満・3,000〜4,500万円・4,500〜6,000万円・6,000万円以上の4つに分けました。境目に近い街は少しの相場変動で階級が変わります。「住環境型・サービス型」の縦軸は当社が7項目から作った差で、SUUMOの公表値ではありません。