STEP 01 / TURNOVER
5年で何人が入れ替わったか
2020年の国勢調査で浦和区に住んでいたのは164,822人。このうち2015年も同じ場所に住んでいた人が103,379人、引っ越してきた人が36,987人です。引っ越してきた人の内訳は、同じ区の中での引っ越しが10,035人、区外から移ってきた人が26,952人でした。
| 5年前の住所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 5年前も同じ場所 | 103,379人 | 62.7% |
| 同じ区の中で引っ越し | 10,035人 | 6.1% |
| 同じ市の他の区から | 5,218人 | 3.2% |
| 県内の他市町村から | 5,180人 | 3.1% |
| 他県から | 15,293人 | 9.3% |
| 国外から | 1,261人 | 0.8% |
| 移動状況が分からない | 24,428人 | 14.8% |
| 合計(人口) | 164,822人 | 100% |
国勢調査は5歳以上に5年前の住所を聞いている。「移動状況が分からない」は回答が得られなかった分で、以降の市区町村別の集計には含まれない。
他県から来た人が15,293人と最も多く、県内の他市町村から5,180人、同じさいたま市の他の区から5,218人が続きます。浦和区は5年で人口の15.6%にあたる人が区外から入り、13.2%が区外へ出ました。差し引き+3,881人。街の顔ぶれは、5年でおよそ2割が入れ替わっています。
STEP 02 / WHERE FROM
どこから来たか。8つの街で構成を比べる
区外から来た人を、5年前の住所の地域別に分けました。浦和区・大宮区・南区・北区に、県境の川口市・戸田市、東京23区の外縁にある東京都北区・板橋区を並べています。棒の長さは構成比で、右の数字は区外から来た人の実数です。
令和2年国勢調査(2020年10月1日)の5年前(2015年)の常住地別人口。5歳以上が対象で、移動状況「不詳」は別掲。市区町村別の内訳は政令指定都市を区単位で数える。政令指定都市は区ごとに数えているため、「同じ市の他の区」はさいたま市の区だけに現れる。
浦和区に来た人の17.8%が東京23区から、20.3%が同じさいたま市の他の区から、20.2%が埼玉県内の他の市町村からでした。川口市は東京23区からが28.3%と最も高く、東京と地続きの街であることが構成に出ています。逆に板橋区・東京都北区は、その他の道府県(首都圏以外)からの割合が高く、地方から東京へ出てきた人の受け皿になっています。
STEP 03 / EXCHANGE
市区町村別の出入り。誰と人を交換しているか
浦和区と最も多く人をやりとりしている街を、来た人と出た人の両方で並べました。左が浦和区へ来た人、右が浦和区から出た人です。
国勢調査の5年前の常住地。左は5年前にその街にいて2020年に浦和区にいた人、右は5年前に浦和区にいてその街にいた人。
数の上位は、さいたま市の他の区と近隣市です。南区から1,324人、川口市から1,137人、さいたま市中央区から1,010人。ただし来た人と出た人がほぼ同数の相手もあれば、片方に偏る相手もあります。差し引きで見ると、街の役割がはっきりします。
国勢調査の5年前の常住地から、来た人と出た人の差が大きい街を上下に並べた。プラスは浦和区が人を受け取った相手、マイナスは人を渡した相手。
浦和区が人を受け取っているのは川口市(+428人)、東京都北区(+198人)、板橋区(+161人)、江戸川区(+155人)、戸田市(+137人)。渡しているのはさいたま市緑区(-465人)、さいたま市見沼区(-247人)、上尾市(-53人)です。都心側と県境の街から人をもらい、さいたま市の郊外区へ人を渡す。浦和区は、東京から来た人がいったん立ち寄る場所であり、同時に次の街へ送り出す場所でもあります。
STEP 04 / LADDER
人の流れの階段。都心から郊外へ、順に押し出されていく
同じ計算を、上流の街でもやってみます。板橋区は誰から人をもらい、誰に渡しているか。川口市はどうか。並べると、人の流れが一本の階段になっているのが分かります。
国勢調査の5年前の常住地から、各段の自治体間の純移動(来た人−出た人)を足したもの。矢印の太さは人数に比例する。
| 街 | 同じ市の他の区 | 埼玉県内(他の市町村) | 東京23区 | 東京都下(市部) | 千葉県 | 神奈川県 | その他の道府県 | 区外との差引 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 浦和区 | -626 | +1,388 | +1,296 | +153 | +35 | +81 | +1,931 | +3,881 |
| 大宮区 | -1,020 | -20 | +180 | +144 | +5 | +155 | +1,939 | +973 |
| 南区 | -807 | +1,460 | +1,658 | +304 | +167 | +185 | +2,032 | +4,671 |
| 北区 | -627 | +59 | +210 | +61 | +102 | +114 | +1,516 | +1,079 |
| 川口市 | -189 | -3,079 | +7,488 | +376 | -128 | +608 | +3,993 | +8,723 |
| 戸田市 | -908 | -1,151 | +1,677 | +56 | -85 | -22 | +1,215 | +442 |
| 北区 | — | -3,528 | +960 | +154 | -330 | +381 | +3,687 | +1,006 |
| 板橋区 | — | -5,731 | +2,324 | -775 | -1,103 | -693 | +6,120 | -142 |
板橋区は東京23区から+2,324人を受け取り、埼玉県へ-5,731人を渡しています。その渡し先の上位が朝霞市(-841人)、川口市(-754人)、練馬区(-695人)。川口市は東京23区から+7,488人を受け取り、埼玉県内へ-3,079人を渡します。その先がさいたま市緑区(-1,465人)、さいたま市岩槻区(-536人)、越谷市(-508人)です。そして浦和区は東京23区から+1,296人、埼玉県内から+1,388人を受け取り、さいたま市の他の区へ-626人を渡しています。
どの街も、内側から人をもらい、外側へ人を渡しています。家族が増え、必要な広さが変わるたびに、少しずつ外へ移っていく。その列の中で浦和区は、東京から来た人を受け止め、次の区へ送り出す位置にあります。
STEP 05 / AGE
来た人の年齢。30代が動かしている
区外から移ってきた人を年齢で分けました。構成比で並べています。
国勢調査の「(再掲)転入」(区外から移ってきた人。国外からを含む)を年齢5歳階級から5区分にまとめた。年齢は2020年時点。市区町村別の図(FIG.02・03)は国内の移動だけなので、合計はこの図より少ない。
浦和区に区外から来た26,951人(国外からの1,261人を含む)のうち、30〜44歳が10,857人で40.3%、0〜14歳が4,254人で15.8%を占めます。あわせて56.1%が、子どもと働き盛りの親の組み合わせです。東京都北区や板橋区では15〜29歳の割合が高く(34.8%・38.9%)、進学や就職で出てきた単身者が多いことが分かります。街によって、動いている人の年齢が違います。
STEP 06 / PRICE
人を受け取る街と、渡す街の値段
横軸に中古マンションの㎡単価(2023〜2025年の中央値)、縦軸に5年間の純流入をとりました。
横軸は2023〜2025年に成約した中古マンション等の㎡単価の中央値。縦軸は国勢調査の5年前の常住地から計算した区外との差引(来た人−出た人)。
浦和区の㎡単価は72.7万円で、川口市(48万円)から人を受け取り、より安い緑区・見沼区へ人を渡しています。東京都北区(85.7万円)と板橋区(66.7万円)はさらに高く、そこから川口市へ人が流れます。人は高い街から安い街へ動き、その途中で家族の形に合った広さを探しています。浦和区はその流れの中で、値段の高さのわりに人を集めている位置にあります。
SUMMARY
まとめ:浦和区は、東京から来た人を受け止め、次の区へ送り出す
| 問い | 答え |
|---|---|
| 何人入れ替わったか | 5年で区外から25,691人が来て21,810人が出た。5年前も同じ場所にいたのは人口の62.7% |
| どこから来たか | 他県から15,293人、県内の他市町村から5,180人、同じ市の他の区から5,218人。東京23区からは4,576人 |
| 誰から受け取ったか | 川口市+428人、東京都北区+198人、板橋区+161人、江戸川区+155人 |
| 誰に渡したか | さいたま市緑区-465人、さいたま市見沼区-247人、上尾市-53人 |
| 来た人の年齢 | 30〜44歳が40.3%、0〜14歳が15.8%。子育て世帯が中心 |
この記事のまとめ浦和区に来た人の多くは、東京23区と県境の街から移ってきました。そして浦和区から出た人の多くは、さいたま市の緑区・見沼区へ移っています。都心寄りの23区から板橋区へ、板橋区から川口市へ、川口市から浦和区へ、浦和区から郊外の区へ。5年前の住所をたどると、家族の形が変わるたびに一段ずつ外へ移っていく列が見えます。浦和区はその列の中ほどにあり、東京から来た子育て世帯を受け止める場所です。区内で買うか、次の区へ移るかは、必要な広さと予算の折り合いで決まります。
前の記事:人が増えた街は、値上がりした街か。首都圏172自治体を7年分の人の動きで並べる→同じ予算なら、どの街が強いか。埼玉の子育てしやすい街を階級別で戦わせる→浦和区の土地・中古マンション・戸建てを20年で見る→HOW TO READ
使った数字と読み方
人の移動は令和2年国勢調査(2020年10月1日)の「5年前の常住地」です。5歳以上が対象で、住民票ではなく本人の回答によるため、住民票を移していない移動も含まれます。「移動状況が分からない」と答えた24,428人は市区町村別の集計に入らないため、この記事の人数は実際の移動よりやや少なめです。政令指定都市は区ごとに数え、同名の区があるため東京都北区・東京都中央区は都名を付けました。
直近の傾向は住民基本台帳人口移動報告(2023〜2025年)でも同じ向きでした。浦和区は3年で転入29,554人・転出28,514人、東京23区との差引は+590人です。相場は国土交通省の成約データを自治体全域で集計した2023〜2025年の中央値です。