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国勢調査 × 成約データ / WHERE THEY CAME FROM

浦和区に来た人は、どこから来たのか。
5年前の住所を、1人ずつ数える

5年で区外から25,691人が来て、21,810人が出た。差は+3,881人

前の記事で、さいたま市には人が集まり続けていることを見ました。ではその人たちは、どこから来たのでしょうか。国勢調査は5年に一度、全員に「5年前にどこに住んでいたか」を聞いています。2020年の調査から、浦和区に住む人の5年前の住所を市区町村別に取り出しました。同じ数字を逆向きにも取れるので、「浦和区から出て行った人が今どこにいるか」も分かります。出入りを差し引くと、この街が誰から人をもらい、誰に人を渡しているかが見えてきます。結論は、都心から郊外へ向かう長い列の途中に、浦和区が立っているということでした。

公開 2026年9月9日最終確認 2026年9月9日

URAWA WARD

25,691人 / 2015〜2020年に区外から浦和区へ移った人
区外へ出た人
21,810人(差+3,881人)
東京23区から
4,576人(差+1,296人)
5年前も同じ場所
103,379人(人口の62.7%)

5年で何人が入れ替わったか

2020年の国勢調査で浦和区に住んでいたのは164,822人。このうち2015年も同じ場所に住んでいた人が103,379人、引っ越してきた人が36,987人です。引っ越してきた人の内訳は、同じ区の中での引っ越しが10,035人、区外から移ってきた人が26,952人でした。

浦和区に住む人の、5年前(2015年)の住所
5年前の住所人数割合
5年前も同じ場所103,37962.7%
同じ区の中で引っ越し10,0356.1%
同じ市の他の区から5,2183.2%
県内の他市町村から5,1803.1%
他県から15,2939.3%
国外から1,2610.8%
移動状況が分からない24,42814.8%
合計(人口)164,822100%

国勢調査は5歳以上に5年前の住所を聞いている。「移動状況が分からない」は回答が得られなかった分で、以降の市区町村別の集計には含まれない。

他県から来た人が15,293人と最も多く、県内の他市町村から5,180人、同じさいたま市の他の区から5,218人が続きます。浦和区は5年で人口の15.6%にあたる人が区外から入り、13.2%が区外へ出ました。差し引き+3,881人。街の顔ぶれは、5年でおよそ2割が入れ替わっています。

どこから来たか。8つの街で構成を比べる

区外から来た人を、5年前の住所の地域別に分けました。浦和区・大宮区・南区・北区に、県境の川口市・戸田市、東京23区の外縁にある東京都北区・板橋区を並べています。棒の長さは構成比で、右の数字は区外から来た人の実数です。

FIG. 01区外から来た人の、5年前の住所(2015〜2020年)
同じ市の他の区埼玉県内(他の市町村)東京23区東京都下(市部)千葉県神奈川県その他の道府県
横にスクロールできます0%25%50%75%100%区外から来た人浦和区20%20%18%30%25,691人大宮区21%19%14%33%18,144人南区16%26%17%27%27,898人北区18%27%10%32%20,101人川口市20%10%28%6%27%61,916人戸田市22%10%24%30%18,470人北区15%38%7%29%48,885人板橋区13%37%6%33%67,819人

令和2年国勢調査(2020年10月1日)の5年前(2015年)の常住地別人口。5歳以上が対象で、移動状況「不詳」は別掲。市区町村別の内訳は政令指定都市を区単位で数える。政令指定都市は区ごとに数えているため、「同じ市の他の区」はさいたま市の区だけに現れる。

浦和区に来た人の17.8%が東京23区から、20.3%が同じさいたま市の他の区から、20.2%が埼玉県内の他の市町村からでした。川口市は東京23区からが28.3%と最も高く、東京と地続きの街であることが構成に出ています。逆に板橋区・東京都北区は、その他の道府県(首都圏以外)からの割合が高く、地方から東京へ出てきた人の受け皿になっています。

市区町村別の出入り。誰と人を交換しているか

浦和区と最も多く人をやりとりしている街を、来た人と出た人の両方で並べました。左が浦和区へ来た人、右が浦和区から出た人です。

FIG. 02浦和区と人をやりとりしている街(2015〜2020年)
浦和区へ来た人浦和区から出た人
横にスクロールできます浦和区へ来た人浦和区から出た人1,3241,345さいたま市南区1,137709川口市1,0101,026さいたま市中央区8601,325さいたま市緑区560362東京都北区537495さいたま市大宮区476341さいたま市桜区367372さいたま市北区363610さいたま市見沼区360413上尾市355194板橋区335243世田谷区301164戸田市299226練馬区

国勢調査の5年前の常住地。左は5年前にその街にいて2020年に浦和区にいた人、右は5年前に浦和区にいてその街にいた人。

数の上位は、さいたま市の他の区と近隣市です。南区から1,324人、川口市から1,137人、さいたま市中央区から1,010人。ただし来た人と出た人がほぼ同数の相手もあれば、片方に偏る相手もあります。差し引きで見ると、街の役割がはっきりします。

FIG. 03浦和区の純流入・純流出(来た人 − 出た人)
さいたま市・埼玉県内東京都その他
横にスクロールできます-600-400-2000200400川口市 来1,137/去709+428人東京都北区 来560/去362+198人板橋区 来355/去194+161人江戸川区 来231/去76+155人戸田市 来301/去164+137人さいたま市桜区 来476/去341+135人宇都宮市 来241/去140+101人熊谷市 来191/去94+97人名古屋市中区 来13/去49-36人東京都中央区 来65/去102-37人さいたま市西区 来151/去199-48人上尾市 来360/去413-53人さいたま市見沼区 来363/去610-247人さいたま市緑区 来860/去1,325-465人

国勢調査の5年前の常住地から、来た人と出た人の差が大きい街を上下に並べた。プラスは浦和区が人を受け取った相手、マイナスは人を渡した相手。

浦和区が人を受け取っているのは川口市(+428人)、東京都北区(+198人)、板橋区(+161人)、江戸川区(+155人)、戸田市(+137人)。渡しているのはさいたま市緑区(-465人)、さいたま市見沼区(-247人)、上尾市(-53人)です。都心側と県境の街から人をもらい、さいたま市の郊外区へ人を渡す。浦和区は、東京から来た人がいったん立ち寄る場所であり、同時に次の街へ送り出す場所でもあります。

人の流れの階段。都心から郊外へ、順に押し出されていく

同じ計算を、上流の街でもやってみます。板橋区は誰から人をもらい、誰に渡しているか。川口市はどうか。並べると、人の流れが一本の階段になっているのが分かります。

FIG. 04都心から郊外へ向かう人の流れ(2015〜2020年の純移動)
横にスクロールできます豊島区・新宿区・文京区(都心寄りの23区)板橋区(23区の外縁)川口市(県境の街)さいたま市浦和区さいたま市緑区・見沼区(郊外の区)純流入 2,593 板橋区から見た純流入純流入 3,726 板橋区・東京都北区・足立区からの純流入純流入 659 川口市・戸田市・蕨市からの純流入純流入 712 浦和区からの純流出

国勢調査の5年前の常住地から、各段の自治体間の純移動(来た人−出た人)を足したもの。矢印の太さは人数に比例する。

8つの街が、どの地域から人を受け取り、どこへ渡しているか(純移動)
同じ市の他の区埼玉県内(他の市町村)東京23区東京都下(市部)千葉県神奈川県その他の道府県区外との差引
浦和区-626+1,388+1,296+153+35+81+1,931+3,881
大宮区-1,020-20+180+144+5+155+1,939+973
南区-807+1,460+1,658+304+167+185+2,032+4,671
北区-627+59+210+61+102+114+1,516+1,079
川口市-189-3,079+7,488+376-128+608+3,993+8,723
戸田市-908-1,151+1,677+56-85-22+1,215+442
北区-3,528+960+154-330+381+3,687+1,006
板橋区-5,731+2,324-775-1,103-693+6,120-142

板橋区は東京23区から+2,324人を受け取り、埼玉県へ-5,731人を渡しています。その渡し先の上位が朝霞市(-841人)、川口市(-754人)、練馬区(-695人)。川口市は東京23区から+7,488人を受け取り、埼玉県内へ-3,079人を渡します。その先がさいたま市緑区(-1,465人)、さいたま市岩槻区(-536人)、越谷市(-508人)です。そして浦和区は東京23区から+1,296人、埼玉県内から+1,388人を受け取り、さいたま市の他の区へ-626人を渡しています。

どの街も、内側から人をもらい、外側へ人を渡しています。家族が増え、必要な広さが変わるたびに、少しずつ外へ移っていく。その列の中で浦和区は、東京から来た人を受け止め、次の区へ送り出す位置にあります。

来た人の年齢。30代が動かしている

区外から移ってきた人を年齢で分けました。構成比で並べています。

FIG. 05区外から移ってきた人の年齢(2020年時点)
0〜14歳15〜29歳30〜44歳45〜64歳65歳以上
横にスクロールできます0%25%50%75%100%区外から来た人浦和区16%22%40%16%26,951人大宮区10%29%36%18%6%18,754人南区12%26%39%16%8%29,009人北区11%28%34%18%9%20,761人川口市10%32%37%14%7%67,608人戸田市8%35%36%14%8%19,596人北区7%35%38%15%52,451人板橋区6%39%32%14%8%72,571人

国勢調査の「(再掲)転入」(区外から移ってきた人。国外からを含む)を年齢5歳階級から5区分にまとめた。年齢は2020年時点。市区町村別の図(FIG.02・03)は国内の移動だけなので、合計はこの図より少ない。

浦和区に区外から来た26,951人(国外からの1,261人を含む)のうち、30〜44歳が10,857人で40.3%、0〜14歳が4,254人で15.8%を占めます。あわせて56.1%が、子どもと働き盛りの親の組み合わせです。東京都北区や板橋区では15〜29歳の割合が高く(34.8%38.9%)、進学や就職で出てきた単身者が多いことが分かります。街によって、動いている人の年齢が違います。

人を受け取る街と、渡す街の値段

横軸に中古マンションの㎡単価(2023〜2025年の中央値)、縦軸に5年間の純流入をとりました。

FIG. 06中古マンション㎡単価 × 5年間の純流入
さいたま市の区ほぼ都内(県境の街)ギリ都内(23区の外縁)
横にスクロールできます-2,00002,0004,0006,0008,00010,000304050607080905年間の純流入(人)中古マンション㎡単価の中央値(万円/㎡)さいたま市浦和区 ㎡単価72.7万円 / 5年の純流入+3,881人さいたま市大宮区 ㎡単価72万円 / 5年の純流入+973人さいたま市南区 ㎡単価60万円 / 5年の純流入+4,671人さいたま市北区 ㎡単価38.6万円 / 5年の純流入+1,079人川口市 ㎡単価48万円 / 5年の純流入+8,723人戸田市 ㎡単価52.3万円 / 5年の純流入+442人北区 ㎡単価85.7万円 / 5年の純流入+1,006人板橋区 ㎡単価66.7万円 / 5年の純流入-142人川口市南区浦和区北区北区大宮区戸田市板橋区

横軸は2023〜2025年に成約した中古マンション等の㎡単価の中央値。縦軸は国勢調査の5年前の常住地から計算した区外との差引(来た人−出た人)。

浦和区の㎡単価は72.7万円で、川口市(48万円)から人を受け取り、より安い緑区・見沼区へ人を渡しています。東京都北区(85.7万円)と板橋区(66.7万円)はさらに高く、そこから川口市へ人が流れます。人は高い街から安い街へ動き、その途中で家族の形に合った広さを探しています。浦和区はその流れの中で、値段の高さのわりに人を集めている位置にあります。

まとめ:浦和区は、東京から来た人を受け止め、次の区へ送り出す

5つの問いの答え
問い答え
何人入れ替わったか5年で区外から25,691人が来て21,810人が出た。5年前も同じ場所にいたのは人口の62.7%
どこから来たか他県から15,293人、県内の他市町村から5,180人、同じ市の他の区から5,218人。東京23区からは4,576
誰から受け取ったか川口市+428人、東京都北区+198人、板橋区+161人、江戸川区+155人
誰に渡したかさいたま市緑区-465人、さいたま市見沼区-247人、上尾市-53人
来た人の年齢30〜44歳が40.3%、0〜14歳が15.8%。子育て世帯が中心

この記事のまとめ浦和区に来た人の多くは、東京23区と県境の街から移ってきました。そして浦和区から出た人の多くは、さいたま市の緑区・見沼区へ移っています。都心寄りの23区から板橋区へ、板橋区から川口市へ、川口市から浦和区へ、浦和区から郊外の区へ。5年前の住所をたどると、家族の形が変わるたびに一段ずつ外へ移っていく列が見えます。浦和区はその列の中ほどにあり、東京から来た子育て世帯を受け止める場所です。区内で買うか、次の区へ移るかは、必要な広さと予算の折り合いで決まります。

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使った数字と読み方

人の移動は令和2年国勢調査(2020年10月1日)の「5年前の常住地」です。5歳以上が対象で、住民票ではなく本人の回答によるため、住民票を移していない移動も含まれます。「移動状況が分からない」と答えた24,428人は市区町村別の集計に入らないため、この記事の人数は実際の移動よりやや少なめです。政令指定都市は区ごとに数え、同名の区があるため東京都北区・東京都中央区は都名を付けました。

直近の傾向は住民基本台帳人口移動報告(20232025年)でも同じ向きでした。浦和区は3年で転入29,554人・転出28,514人、東京23区との差引は+590人です。相場は国土交通省の成約データを自治体全域で集計した2023〜2025年の中央値です。

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